相撲を観に九州へ行ってまいりました。相撲の内容についてや、今、相撲を取り囲む環境については人それぞれ思うことがあると思うので、私は完全に観光に特化した日記を綴っていきます。
博多駅から九州場所が開催されている福岡国際センターへはバスですぐ。バス乗り場は駅の正面の道向かいにあります。朝9時くらいに博多駅に到着して辺りをキョロキョロと見ていると、ちょうどお相撲さんがご出勤の最中。彼にこっそりついていけばいいや、と後に続きます。すこし寒そうな着物と、片手にぶら下げた小さな風呂敷が味わい深い。すっきりと結わえられたちょんまげからは、力士特有の甘い香りが漂ってきます。
大相撲の特徴として、チケットのもぎりを親方がやっていることが挙げられます。親方の大きな手で「はい、いってらっしゃい」とチケットをもぎってもらうと、気分も高揚するはず。さて、このチケットですが、1回だけ再入場可能です。だから、早く会場に行って、一通りお土産を買ったあと、一回出て博多の街をぶらぶら観光するのも良さそう。朝9時ごろに会場にいる人は本当に少ない。テレビ中継に映っているような、いわゆる「満員御礼」の状態になるのは、だいたい14時30分以降です。みんな好きな時間に来られるのも、大相撲の良さです。
ご飯を食べ終わり、相撲を少し楽しんだところで入口に向かいます。13時30分頃から続々と「関取」と呼ばれる番付のお相撲さんがやってくるのです。関取とは十両より上の地位にいる力士のこと。十両より下の地位(幕下、三段目、序二段、序ノ口)にいる力士は関取とは呼ばれません。関取は宝塚でいうところのスター集団なのです。スターの入り待ちをすべく、私はベストポジションを確保し、待機します。
大好きな安美錦(幕内最年長39歳!ひょうひょうとした笑顔が魅力!)や玉鷲ちゃん(ハート大好き、愛くるしい性格)、千代丸たん(スー女のアイドル。かわいさの塊)、高安(実は歌がめちゃうまい)の入りをしっかり見届けて十両の取組をみるために席へ戻ります。途中、スポナビ(インターネットテレビ)の解説をしている真剣な顔の旭天鵬(現・友綱親方)をこっそり眺めつつ、相撲を楽しみます。大相撲の会場内は、普通に有名な親方がそこらへんをうろうろしているのも大きなポイントです。「あ!琴欧州」とか「あ!武蔵丸」とか、「あ!北の富士さん!」とか、普通にあります。私はミーハー心をひた隠しにし、にやにやしながら相撲に集中します。
さて、十両の取組が終わり、いよいよ幕内力士の土俵入りです。東西の大関までが姿を現したら、いよいよ横綱の土俵入りです。横綱が四股を踏むたびに「よいしょー」という掛け声が四方から飛んできます。会場が一体となった感じがして、気分が高まります。
幕内の取組が終わっても、最後の最後の一人を忘れてはいけません。弓取式を行う聡ノ富士の勇姿は、必ず観なくてはいけません。彼は宝塚でいうところのエトワールなのです。彼は2013年からほとんどエトワールを独占しているのです。私は聡ノ富士の姿が見えなくなるまで、じっと彼を見つめて、福岡国際センターを後にしました。呼出しさんの叩く太鼓の音が、大変名残惜しかったです。
そして、夜の博多へ繰り出したのです。